【今週のみ言】涙で出発した日本留学の道 天一国元年天暦2月20日(陽暦3月31日)第7号


涙で出発した留学の道

私は小学校を卒業する時、式場で大雄弁をしました。警察署長、郡守たちを前にして、「日本人はふろしきをまとめて出ていけ」と言いながら、激しく攻撃しました。小学生の時からそうしたのです。そのために捕らわれていき、警察署長に談判した人なのです。「これこれこのようなことが正しくないのに、そのような場合に黙っていられますか」というように。その時からレッテルを貼られたのです。
 そのようにして、私が日本に行くために校長先生の推薦を受け、渡航証を出して手続きしなければならないために警察署長に会いに行くと、「あっ、これは要注意人物だ」と言うのです。それで争ったことがありました。署長と激しく言い争ったのです。そうでなければならないのです。そのような何かがなければなりません。

先生が一九四一年度に日本に留学するために、釜山に向けてソウル駅をたつ時、ソウル市内を眺めながら、かわいそうなこの民族に誰が責任を負うかを考えながら、たくさん涙を流しました。その当時、日本に行く鉄道に、ひかり号という列車がありました。ソウル駅でその列車に乗りながら、「私は敗者の愚かな男として流れていくのではない。国を救うための熱い心を抱いていく男の道は天が保護する。私が帰ってくる時は、お前は希望にあふれんぱかりであろう」と思いました。それゆえに、第二次世界大戦の時、韓国は一度も爆撃を受けなかったのです。
 ソウルから釜山に行く時、「私が日本に行って学んでくることは何か。この国を解放して、育っていく私たちの二世たちが希望に満ちて前進的出世をすることができる道を、自主的独立国家を備えて出世できる道を私が開いてあげなければならない」と思ったのです。このようにして龍山駅をたって、昔の漢江橋を過ぎながら、手すりをつかんで涙を落としたことが、とめどなく涙を流したことが、今も思い出されます。
 孤児のようなこの民族をおいて出ていく時、外套を引っかぶって、ソウルから釜山まで痛哭しながら行きました。そのとき日本人のおばさんが、汽車の中で泣いている私を見て、「若い人、お父さん、お母さんが亡くなられましたか。そのような悲しみは、人間ならば誰でも遭うことではないですか」と言いました。しかし私の悲しみは、ただ国を愛する心でぎっしり詰まっていたのです。
 涙が止まらず、目がはれ、鼻と口がはれるくらいに泣いたことが、今でも忘れられません。その涙、天を愛さずにはいられなかったその事情、この民族に植えつけたかった若いころのその哀切な訴えが、この民族の前に必ず残る、ということを先生は知っていました。それが統一を願う若者一人ひとりの胸に、統一を願う男一人ひとりの胸に残ってくれと、先生が願っていたということを皆さんは知らなければなりません。

 この民族のためにどれほど涙を流したかといえば、先生はどの愛国者よりももっと多くの涙を流しました。先生が日本留学に出発した一九四一年四月一日早朝二時に、釜山の埠頭で、韓国を眺めながら祈祷したことが忘れられません。「私は、今祖国を離れるけれども、祖国であるお前をより一層愛し、お前のためにもっと多くの涙を流そう」と約束したのです。
 釜山から船に乗って日本に行ったのですが、その時、釜山から連絡船に乗りながらとめどもなく涙を流したことが、きのうのことのようです。その時は日帝時代です。かわいそうなこの民族を、誰が束縛から救ってくれるのでしょうか。私は夜を明かして星を眺めながら、この民族の解放の一日のために精誠を込め涙を流しながら、この民族のために神様の前に、「私は今旅立ちますが、帰ってくる時まで、神様、この民族を守っていてください」と祈祷しました。早朝二時四十分に出発しましたが、その時の心情を、私は忘れることができません。
 涙と共に行く道に、愛国があるのです。涙と共に行くところに、孝子がいるのです。忠臣も同じです。聖人が行く道も同じです。涙と共に生涯を経ていくところに聖人の道があるのです。世界を動かすことができる歴史、伝統を残して、受け継ぐことができる歴史があるならば、涙と共に残してあげた歴史です。その伝統の歴史は世界を支配するのです。統一教会は、世界を治めることのできる涙とともに、伝統を受け継いでいくという姿勢を忘れてはなりません。

                                   - 真の御父母様の生涯路程1-

皆様がこの時代に真の父母様に侍り出発したということは、皆様の子孫や先祖にとって大いなる祝福なのです。恩赦です。そのような恩恵を受けて、自己中心に生きてはいけません。為に生きる人生をいかなければなりません。私によって私の隣人が平和で幸せであることを広めなければなりません。天一国を開いてくださった天の前に全世界の人類を天一国の民として全てお返しするのが、現在この時代に生きている私たちの使命です。

               *家庭連合と統一財団の指導者に向けて、お母様のみ言3月22日*